取材後記:テーマは「マスク・紙製品の買い占め」

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未だ解決していない、世界的マスク不足の問題と、デマによる紙製品の買い占め・転売問題についての記事が公開されました。

お探しのページが見つかりません|esse online

この問題には、高齢化社会の複雑な問題が絡んでいるようにも思ったので、気になったポイントを整理しておきたいと思います。

高齢者による大量の買い占め。その背景にある精神的な不安とは?

家のなかが散らかる。

これは、認知症の入口にもよくあるといわれる症状です。

特に戦中・戦後のモノが乏しかった時代を生きてきた人にとっては、「モノ」がない状態は、若い人よりも「不安」を強く感じる精神状態にあるようです。その結果、大量に不要なものを買い込み、ため込み、散らかっていく…。

「断捨離」とか「整理整頓」は、若くて、頭がキレるからこそ、できるスキルのひとつであって、歳をとって、思うように体も頭も動かなくなってきた人にとっては「心配だから買ってしまう」という不安要素が背景に色濃く歩きがしました。

ありあまる時間。孤独な高齢者たち

これも、現役世代からすると大いに迷惑な話なのですが、結局のところ、年金で暮らす高齢者は時間に余裕があるからこそ、早朝からドラッグストアに並んでしまい、悪目立ちしていたケースが多いようです。

「同じおじいさんが毎朝、駅前のドラッグストアに並んでいます。ある日、『昨日も並んでいましたね?』と話しかけてみたら、『トイレットペーパーはなくなると大変だから、今日はあと3軒薬局をまわるんだ!』と得意げに言われて言葉を失いました」(東京都・自営業・34歳)

引用:マスクの買い占めに転売。ドラッグストアで見かけた困った人たち|ESSE onlineより

同じことを現役世代の我々ができるかと聞かれれば、多くの人が、膨大な量の仕事と家事、育児に追われ、開店前のドラッグストアに並び、その後3軒ハシゴするなど、到底こなせるわけがありません。そして、こういう方もまた、認知症の入口にある可能性も高いと思います。いったい何年分のトイレットペーパーを必要としているのか、自分でもわからなくなっているから、買い込んでも、買い込んでも、不安が解消されるまでは、トイレットペーパーをため込み続けてしまうのかもしれません。

またトイレットペーパーもマスクも、せいぜい、数百円。お金がそんなにない高齢者でも、ちょっとしたお小遣いで買えてしまうくらいの値段だったというのも今回の問題を深刻化させたのかもしれません。

少し、脳が衰えかかって、かつ時間がありあまる高齢者だからこそ、このような愚行に出てしまうのだと思いました。

モラルがない人というのはどの世代にも一定数いる

もちろん、すべての高齢者が問題アリというわけではありません。

転売ヤーによる買い占めと、高齢者による問題は、私は分けて対応すべき問題であると考えているのですが、モラルがない人というのは、どの世代にも一定数いるものです。

子どもを巻き込んでデマに踊らされて買い占めに走った親。やめろと言われているのに、BBQやらマッサージやら県をまたぐ規制をして夜行バスで往復した若者。こういう社会的モラルに欠落している人が年をとると、時間やお金の使い方を間違ってしまうケースが多いように感じます。

反面教師になって歳を重ねていくしかない

自分が老人になったときに、老害扱いされるようなジジ&ババにならないように、今の高齢者だけでなく、同世代のモラルなき人間たちにも目を向けながら、自分がそういう人にならないよう、生きていくしかないと思うと、ちょっと切なくもなるこのごろです。

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